病院内で辛いプログラムや治療に耐え、不安や寂しさの中で退屈を伴い過ごす子どもたちと付添う保護者を対象に静岡県立こども病院でミニコンサートを開催しました。
バイオリニストの丸尾さん、ピアニストの良知さんに演奏していただきました。
演奏準備をしていると小さな男の子が「演奏するんですか?」と聞きにきてくれました。「10時半から演奏するよ」と丸尾さんが伝えると、近くにいた別の家族も時計を見て時間を確認。楽しみに待ってくれていました。
「えんそうするらって」と舌足らずな言葉で、お母さんに伝えよう会計の周りを駆け回る2、3歳くらいの男の子もいて、その様子がとても可愛らしかったです。

演奏が始まるとさまざまな患者さんの様子が伺え、本を持ったまま棒立ちに聞いてる男の子や、子連れのお母さんはリズムに乗ってお子さんの手を引いて足元はスキップしてるように見えたり、音楽に合わせ指揮者のように両手を動かして聞いてる子や、ふりふりオリジナルダンスを踊る子どもたちと楽しんでくれている様子でした。
「星に願いを」が流れると、お母さんが抱き抱えた赤ちゃんの方を見て歌っていたり、会計が終わった患者さんも一曲聞いてから帰られたり、受付さんも患者さんが並んでいない時にはチラッとこちらを向いていたりと、いつもの病院に音楽という新鮮さが加わり軽やかな雰囲気でした。


離れた位置にいたリクライニング車椅子の男性をとお父さん。
演奏を聞いて足を止めて、お父さんが息子さんの顔を覗き込むと反応が良かったのかその場で立ち止まり。少しして「帰りに聞く?」と振り返り名残惜しそうに診察の方へ向かわれました。
演奏時間が後30分程度だったので、その後ろ姿に間に合うかな?間に合ったらいいなと願いつつ。20分くらいして間に合ったようでまた演奏を聞きにきてくれました。
その後から息子さんのお母さんと看護師さんも合流し、看護師さんが「(音楽)いいですね」と話しかけると息子さんも頷いている様子。とても和やかな雰囲気でした。
演奏中、丸尾さんに話しかける小さな女の子、丸尾さんも演奏しながら女の子に目線を合わせます。女の子は曲中の高音にびっくりして耳を塞ぐも、曲が終わると「いちいーーー!(一位の意味?)」丸尾さんの前に立ちはだかって大きな拍手をしてくれました。他の曲ではシャカシャカリズムに合わせ踊ってくれたりと、音楽を全力で楽しんで聞いてくれて可愛らしかったです。
また、その女の子を見つめる他の患者さんや、受付さん看護師さんの目も優しく、みんな素直な感性に癒されているようでした。
