静岡てんかん・神経医療センターで3病棟を周り、各病棟のデイルームで30分ほどマジシャンのニシオさんにマジックを披露していただきました。
この日は「パープルデー」という世界中で行われている「てんかん」の啓発デーで、病院でもさまざまなイベントが開催されており、今回のマジックもその一環として開催しました。
1つ目の【A3病棟】の患者さんは青年層〜高齢の方とさまざま。
初めにトランプを使ったマジックを披露していただきました。その場で言ったカードが、机の裏側から出てきたり、選んだカードを真ん中に挟んだはずが一瞬で上に来たり…驚きすぎて拍手より「おぉ!」と感嘆の声。ニシオさんが「皆さん驚きすぎて拍手を忘れてしまうんですよ〜」と言うと会場から笑いが起こりました。


最後にお土産のマジックを教えていただきました。贅沢にも種明かし付きで、後でもマジックを体験できるようにカードも配っていただきました。
このマジックは他の病棟でも配っていただいたのですが、手軽でその場にいない人たちに披露して今日のびっくりした思い出も共有できる、話の種にもなるすごく素敵なアイデアでとても感動しました!
2つ目の【A5病棟(小児・成人混合病棟)】では、先ほど同様にトランプや紐を使ったマジックを披露していただきました。若年層の患者さんが多く、マジックが披露されると驚いた顔で隣にいるお友達と顔を見合わせていました。


トランプで患者さんが伝えた数字のカードを取り出すマジックでは、発語が難しい患者さんは、看護師さんとホワイトボードで筆談して答えてくれました。その方はどの数字にしようかすごく吟味されていて、しばらくして看護師さんが「カードが決定しました!」と伝えると、「もうありますよ?」とニシオさん。キョトンとした我々を置いて、ニシオさんはさらりと筆談中からずっと机に置いてあった一枚のカードに目を向けます。ゆっくりめくると、今さっき女性が伝えたカードと一緒でした!ええー!?と会場が大きな拍手で包まれました。
3つ目の【A4病棟(小児病棟)】では、ニシオさんがトランプで遊んだことがあるか聞くと「あるー!」と手が引っこ抜けそうなくらいぐんと伸ばして元気な返事をしてくれる子どもたち。


トランプマジックでは、子どもたちに白紙のトランプを渡しそれぞれ名前やマークを書いてもらい、他のカードとシャッフルした中から順番に出すマジックを披露していただきました。子どもたちの描いたカードは、机の裏、バギーの後ろ、あっちこっち不思議なところから出てきました。凄すぎて「怖いです!!」という子や、飛び跳ねるように驚く親御さん達。マジックを披露されるごとに全体が高揚して、次は何が出てくるんだろうとワクワクしている熱気が伝わってきました。
次にフォークを曲げるマジックも披露していただきました。
フォークを取り出してすぐ「フォークを曲げるやつ?」と聞く男の子。続けて「スプーンじゃなくて?」「超能力?」とツッコミが。会場全体「よく知ってるね!」「時代じゃないでしょ」と大笑い。

曲がったフォークも、フーッっと息を吹きかけると一瞬で元に戻り皆さんのけぞって驚きが止まりません。
他にも、持ち手を揺らすと先が一本だけ曲がったり、捲れたり…「こんなの初めて見たよ」「テレビでしか見たことないよ」と後ろにいた看護師さん達も驚かれている様子。
曲がったフォークは、先っぽに気をつけながら実際に手で触ってもらいました。
ぐにゃぐにゃに曲がったフォークをまじまじとみた男の子は「どういうことなんだ!!」と真っ直ぐな感想。
最後のマジックでは子どもたちに助手になってもらいました。
ニシオさんが「立ってお手伝いしてくれる子いるかな?」と聞くと、一番前で初めから見てくれていた男の子がすくっと立ち上がりニシオさんの横へ。あまりに素早い動きと少し照れた表情の男の子の可愛さに「こりゃ、やるしかないね」と会場が納得でした。


マジックは、重たそうな木の台に掛かった布の端を一緒に持って回るというものでした。ニシオさんと男の子がそれぞれ布の端を持って回り始めると、台がフワフワ浮いていくではありませんか!魔法のように、台が生きているかの如く飛び出しそうに動いていて、会場はわー!!と今日一番の歓声が上がりました。布を持っている男の子も楽しそうな表情。座っている子どもたちに台を近づけると「ひゃー!ひゃー!」と踊るように嬉しそうな声で溢れていました。
各病棟を周り1階へ降りると、イベント会場でもマジックについて話している声が聞こえてきて、心に残ってくれたならとてもありがたいことだなと思いました。