これまで福祉や医療の現場とデザイナーやクリエイターとの繋がりはあまり深くなかったのではないかと思っています。クリエイターがあまり参入できてこなかった理由に、
「お願いしたいことは山ほどあるのに、支払えるお金がない（少ない）」や
「どうしてもボランティア的な発想で働くことになるから」があると思います。
善意と実力のあるクリエイターはたくさんいます。しかし、最初はボランティアで活動するも、依頼内容と案件数が多く、その内にボランティアでは採算が合わなくなり、少しずつ手を引いていく傾向があるのではと想像しています。そして結果的に「続かなくなる」。気が付けばまわりには誰もいなくなっている、そんなケースがあります。

それでも私たちがこの活動を続ける理由

私たちも当初はこの事象に困惑しました。あちこちの事業所からいろいろな相談を受け、作品のこと、展示のこと、事業所で皆で作っている授産品が売れないこと、商品をどうやって広報のしたら良いか、何か楽しいイベントをしてくれないかなどなど、次々に相談案件が増えていきます。しかもその多くが原則ボランティア（もちろん支払いを提示してくれる事業所もあります）。忙しくなる毎日に困惑しました。
しかし、活動を続けるに従って「やりがい」も感じていました。その最大の理由が「皆が笑顔でとてもとても喜んでくれるから」、「現場で輝いている人たちに出会えるから」。この喜んでくださる「笑顔」と「魅力ある人との出会い」がこの仕事の最大の魅力でした。

この仕事を続けるために始めたこと

この仕事を続けるにはどうしたら良いか考えました。活動を続けていくには、我々自身が「ボランティアでお手伝いをし続ける」か「何処かからお金を工面するか」の２択しかありません。ボランティアでの活動継続は困難です。私たちの勝手な理想や理念を押し付けてボランティアを強要し、まわりを巻き込むわけにもいきません。事実上、私たち自身が活動資金を工面するより他に活動を継続することは難しくなりました。
当時は認知度も全くない上に社会的な実績も信用もないため、行政や財団から助成金、補助金の申請をしたり、プロポーザルを勝ち取って資金を得て活動を続けました。これが現在までに至るまでの私たちの活動の「礎（いしづえ）」となりました。

そして今、地域の企業様と静岡の福祉・医療を盛り上げる活動へ

そして今、アートコネクトしずおかは企業様と地域と、福祉・医療を繋ぐ活動を展開していきます。これからの活動をどうか応援ください。