村田 光生氏 Mitsuo Murata
村田ボーリング技研株式会社 代表取締役社長
村田ボーリング技研株式会社
〒421-0106 静岡市駿河区北丸子1-30-45T
EL: 054-259-1251
URL: https://www.murata-brg.co.jp/
障害のある人の作品の魅力はどんな所にあるとお考えですか?
屈託のない「そのまま」を描いているという点かと思います。絵の背景を聞かずとも、全身全霊を傾け集中しながら描かれているのだろうと感じます。特にわが社で人気の高い絵が、ライオンの絵とアルマジロの絵です。
ライオンの絵は目を合わせた瞬間にエネルギーが伝わります。岡本太郎氏が「藝術は爆発だ!」と仰っていますが、その言葉がぴったり当てはまります。会議室に飾ってありますが、部屋の雰囲気もその絵に引っ張られるかのようで、お話にもつい力が入ってしまいます。
アルマジロの絵は「佇まいに品がある」という形容が社内でされますが、独特な配色は我々の感性に激しく突き刺さります。
聞けば時間をかけて完成されたとのことですが、どれだけ悩んでもあの色使いは私たちではできません。あれだけの色使いをすれば、絵の完成度や統一感がなくなるような気がしますが、逆に完成度が高くなっているので、私たちには見えていないものが作者の中では可視化されていて、絵画というものの奥深さを味わうことができます。
絵を見ているようで、その奥にある人の人格に触れるような感じでしょうか。目で見えること以外に感じることもできる、という事が多い点が一番の魅力だと思います。
障害のある人の作品を鑑賞したり活用したりすることでどんな効果が期待できると思いますか?
まず元気がもらえること、そして普段曇りがちな心を晴らしてくれる、そんな良さがあると思います。
人それぞれというのは承知の上で、あえて比較を述べると、通常の絵画を鑑賞する事と本質的には同じかと思いますが「まっすぐ」「素直さ」「多幸感」という点では障害のある人の作品の方が、より強くストレートに感じる事ができると思います。
私自身の経験ですが「素直さ」や「まっすぐ」な気持ちを忘れかけているときに、その絵をふと見ると、忘れがちな、けれども大切な気持ちが蘇ってくるのです。絵を見て救われる経験をたくさんの方がお持ちだと思いますが、私はここまで「素直さ」を多分に引き出してくれる絵に出会ったことがありません。
また、来社されたお客様の評価も高く、会話の弾みに必ず一役買ってくれます。絵を見て素直な気持ちで場に臨む事ができる事は、人と人との付き合いである以上、それがお客様でも協力会社様でも有意に働くことは言うまでもありません。
最近工場の壁面に障害者アートを設置しましたが、ご近所の評判もよく「絵をみてとてもいい気分になる」「みるとほっこりする」というお言葉もいただきます。特に子供たちは指をさして喜んでくれます。大人以上に素直な子供たちですから、きっと何かを感じ取ってくれているに違いありません。
村田ボーリング技研株式会社の村田光生社長。社内の会議室にも作品が飾られている。村田ボーリング技研株式会社は1950年に創業し、「人々の安心と幸福を実現するために、一人一人が品性の向上と三方良しの経営を目指し、存在感のある企業として、社会の進化発展に貢献できる企業」、「人を大切にする経営」をさらに追求し、永続的な発展を目指している。